コイルの働き

一般にエナメル線(現在はホルマリン線やポリウレタン線が多い)などをぐるぐる巻いて
作られたものをコイルと言います。モータや機械式リレーなどに使われています。最も
簡単なラジオ、ゲルマニウムラジオでも必ず使われます。アンテナコイルがそうです。
コイルを組み合わせて作るトランスというものもあります。
コイルというのは直流を流せば電磁石になるという性質があります。しかし、電流が
変化するときは奇妙なことが起きます。

「変化する電流をコイルに流そうとすると、コイルには電流の変化を妨げようとする
ような電圧が生じます」

一般にコイルでは、電流が変化するスピードが速いほど大きな電圧が生じます。この
ような現象を「逆起電力」が生じるという言い方をします。電磁石になったり
逆起電力を生じさせたりするコイルの性質をインダクタンスといってその大きさ
ヘンリー(H)という単位で表します。

1H = 1000mH
1mH = 1000μH

交流回路におけるコイルの働きはかなりわかりにくいものになります。コイルに流れる
交流は周波数の低い交流(直流に近い)ほど、そしてインダクタンスの値が小さいほど
流れやすく、逆に周波数が高いほど、そしてインダクタンスの値が大きいほど流れにくく
なります。コイルのこの性質はコンデンサのキャパスタンスと正反対です。